プレゼントイメージ

ちょっぴり笑える、最高のプレゼント

私は四人兄弟です。
私が長女で下に妹が一人、弟が二人います。
私を含め上の三人は歳も近いのですが、一番下の弟だけは歳が離れていたので両親はもちろん私たち兄弟もみんな一番下の弟を溺愛していました。
みんなに甘やかされて育った弟は、ワガママで自分勝手で金遣いの荒い困った子どもに育っていきました。
何か欲しいものがあればどんなものでも我慢もできずに買ってくれと親に頼みます。
親が断ろうものなら怒って怒鳴って手がつけられなくなります。
仕方なく親は弟の言うことを聞くのです。
そんなワガママな弟にも、振り回される両親にも私はウンザリしていたのを覚えています。
ところで私は小さな頃から人に贈り物をするのが大好きでした。
両親の誕生日や記念日には必ず手紙を添えて贈り物をしたものです。
小さな頃は自分のお小遣いを貯めて、大きくなってからはアルバイトをしてお給料を貯めてささやかながらプレゼントをしていました。
私と歳の近い兄弟も私と同じように贈り物をしたり、手紙を書いたりしていました。
しかし一番下の弟だけは『自分のお小遣いは自分だけで使う』『お金を貯めるなんて無理』という性格だったのでプレゼントどころか誕生日すら覚えていないようでした。
そんな弟も高校生になり、アルバイトを始めました。
人に指導されたり上から物を言われるのが苦手な弟なりに一生懸命働いている様子に両親も私たち兄弟も喜んでいました。
弟がアルバイトを始めて数ヶ月、母親の誕生日を迎えました。
もちろん母親も他の家族も弟からのプレゼントは期待していませんでした。
ところがその弟が母親に照れ臭いのか不貞腐れて何かを手渡すではありませんか。
家族は突然のことにビックリです。
母親は少し照れ臭そうに、でも嬉しそうに『そんなのいらないのに』とちょっぴり涙ぐんでいました。
私たちは弟からの意外なプレゼントに興味津々で母親が包み紙を開けるのを見ていました。
中から出てきたのは写真立てです。
しかしファッショナブルなものではありません。
黒い縁でおそらく遺影用の写真立てだったのです。
家族は大爆笑です。
私たち兄弟は『こんな祝いの時に演技でもない。』と涙を流して笑いました。
きっと弟は遺影なんて思わずに家族で写真を撮るのが好きな母親に写真立てをと思ったのでしょう。
遺影用だと気づいた弟も『もう二度と何もやらない』と笑いながら悪態をついていました。
母親はと言うと『もし私が死んだらきっとこの日のことを思い出してみんなで笑ってね』なんて言っていました。
あれから数年たちました。
今では立派な社会人の弟は毎年両親の誕生日にはささやかながら贈り物をしているです。
母親はあの写真立てに家族の写真を入れて大切に飾っています。
私たちにとっては笑えるプレゼントでしたが、母親にとっては弟から初めて貰った最高の贈り物だったようです。

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