プレゼントイメージ

鬼のような上司からのプレゼント

社会人なりたての頃の新入社員だった私は、失敗ばかりし上司によく怒られていました。
怒られるたびに次も失敗したらどうしようとトラウマになり、本来上手にできるはずのことも上手く事を運ぶことができなくなってしまっていました。
腹の中では、「初めてやることなんだから、いきなり上手にできるわけがない。あなたは、最初から上手にできていたのですか」と怒られるたびに上司に反発するような気持へと変化していきました。
悪いのは自分なのに、改善点を探そうともせずに他人を責めるような精神状態へと変化してしまったのです。
勤務時間の長さとストレスが溜まる生活が入社一年目から続き、精神状態もおかしくなっていたのだと思います。
一年経過した頃、眠ることができない日々が続き体力的にもかなりきつくなってきました。
円形脱毛や胃腸炎など、目に見える形で体に反応も出てきたのでこれ以上無理をして仕事を続ける価値と意味がわからなくなってしまいました。
会社にはひとまず有給休暇を申請して、今後のことについて自宅でゆっくり考えるようにしました。
休暇初日に上司から電話があり、少し話がしたいと言われたのですが会いたくない人から休暇中に呼び出されるのは気が重かったですし、また叱責をするのだろうと思いました。
勤務終了後私の自宅近くまでやってきていたのですが、具合が悪いと拒否をしました。
それから毎日、電話がかかってきて会いたいと言われるので4日目に会うことを決意しました。
近くの居酒屋でぽつりぽつりと上司が話し始めたのですが「私には、君と同じ年齢と誕生日の息子がいたんだけど小さい頃に事故で亡くなってしまってな。息子と同じ日に生まれえてきた君が入社してきて嬉しかったのと親父のような気分になってしまったのだろうな。私の要望に応えて努力をしてくれるし、できる子がやってきたと嬉しくなってもっと成長してもらいたいとの思いから厳しく接してしまった。精神的に追い詰めているとは知らずに、がむしゃらに頑張ってくれていると勘違いしていたんだ。本当に申し訳なかった。都合の良い言い分とは自分でもわかっているし私の顔も見たくはないだろうけど、また一緒に働いてくれないか。チャンスをもらいたい。私は弱い人間だから君に成長させてもらっているんだよ」と言われました。
二人でプライベートの話をすることはありませんでしたが、今まで鬼のように見えていた上司が普通の人間なんだとわかった瞬間、私も自分の思いを伝えることができました。
だまって私の話に耳を傾け、「すまなかった。君の言うとおりだよ」と時折うなだれていました。
腹を割って話したことでひとまず退職は思いとどまり、もう一度頑張ることにしました。
それからは関係も良好ですし、仕事も順調に上手くいっています。
私が結婚する際にはフィアンセと一緒に自宅に招いてくれ、奥様と一緒にお祝いをしてくれました。
自分たちの子供のことのように嬉しいと喜んでくれ、ペアの高級ワイングラスをプレゼントされました。
しかし一番のプレゼントは私が思い悩んでいるときに、手を差し伸べ正しい道に誘導してくれたことです。

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